小手先の起業家はうまくいかない

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2020年に開催される東京オリンピックに向けて、様々な訪日外国人向けのサービスが立ち上がっています。
私が最も気になっているのはWAmazingが提供している訪日外国人向けのスマートフォンのsimのサービス。

成田空港で無料 SIM を受取、そのままタクシーを呼んで観光を楽しめる訪日外国人向けアプリ WAmazing、ネット業界のベテランたちが創業

詳しいことは上のリンク先を見ていただくとして、
このような「インバウンドビジネス(=訪日外国人向けのビジネス)」を仕掛けようとしている人は実に多い。

先の例はうまくいく可能性がかなり高いんじゃないかと思うが、筆者の周りで訪日外国人を狙ったビジネスを仕掛けようとしている人の中には、「それはどう考えてもちょっと甘すぎるんじゃないか」というようなビジネスを立ち上げようとしている人がいる。

最も多いのは

「英語で作る東京の情報サイト」

というもの。
これは本当によく相談された。
彼らがいうには、

「日本にはまだ訪日外国人向けの英語の本格的なサイトがない」
「2020年に向けて外国人向けの日本の観光や地域情報サイトの需要は上がるはずだ」

ウェブサイトを作ってライターを雇い、SEOを頑張ればビジネスになる、というような話だけれどもそんなものはまず無理。

ウェブサイトなんて誰でも作れる分野で、特段画期的でもないアイデアを、なぜ今誰も実現していないのか。
それは需要がなく、しかも収益性が低いからだ。

日本を訪れる外国人は多いとはいえまだ年間2400万人を超えるくらいしかいない。
実際は1年間にばらばらとくるので、今この瞬間に2400万人いるわけではない。しかもそのうち7割以上は母国語が英語ではないところから来る。中国、台湾、韓国、タイ、などが訪日外国人の多くを占めている。彼らには英語のサイトは必要ない。

この話のよくないところは「需要と供給がわかっていない」ということではなくて、いかにもありがちでそれらしい「魂のこもっていないいい加減なビジネスプランで」起業をしようとしていることにある。

ITベンチャーでは「なんだかよくわからないがやってみないと分からない」ということはよくある話。全員が反対してもうまくいくということはある。
しかし上のような例は誰しもが簡単に思いつき、そして失敗例も山ほどある。はっきり言えば目に見えた愚策だ。
しかし「インバウンドビジネス」「ウェブサイト」「東京オリンピック」などのキャッチーなワードに寄りかかり、勘と称して「そのビジネスに価値があるのか」を考えていないところに大きな問題がある。そんなものは起業家ではない。

訪日外国人向けの英語のウェブサイトを軸にした新しいビジネスというのはあり得ると思う。
しかしそれは単に「ライターを安く雇って」「SEOを頑張って」「サイトに広告を貼ったりして設ける」みたいな安易な話ではない。
具体的に価値を提供できるものを、苦労して丁寧に作り、改良し、磨き上げるというような姿勢が必要だ。その上で、起業家は反対意見をある程度無視して素早く実現して見せるような、かつ魂を込めたサービスとして作り上げるような、そんな姿勢が必要なのだ。

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